偽りの結婚(番外編)



翌日――――――



「え?モルト王国へ?」


ラルフの書斎を訪れてみれば、告げられた急な公務。




「あぁ…隣国の王族を集めた懇親パーティーが開かれるそうだ。」

「随分急なんですね……」


ぽつりと呟けば、曇った表情のラルフの代わりに、傍に立っていた側近のロイドが口を開く。





「エドワード様とリエナ様がほかの公務にかかってるから、ラルフが行くことになったんだ。」


こんな時に…と小さく口にするラルフ。




「今回はどれくらい?」


ラルフではなくロイドに問う。




「4日間だ。まぁパーティー自体は2日で、他は観光目的で来るんだがな。」

「そう……」



日数を聞いてラルフが口を噤んだ理由が分かった。





「こいつこの話断ろうとしてんだぞ?なんか言ってやってくれ。」

「そうなの?ラルフ。」


お手上げ状態のロイドから出た言葉に少し驚きつつも、ラルフに問いかける。

ラルフは眉を寄せて視線を逸らしたかと思えば、小さく「あぁ…」と答える。


ラルフはこういうところがあるのよね。

そう心の中で苦笑しながら、ラルフに微笑みかける。



「そんな大事なパーティーに欠席なんてダメよ。きっとお父様の…ううん、この国の沽券に係わるわ。」

「しかし……」



きっとラルフだって分かってる。