偽りの結婚(番外編)




「起きたかい?」


ドキッと鼓動が跳ねたのを無視して、そう問いかける。

頬にかかったプラチナブロンドの髪を後ろに流せば、差し出した手にすり寄るシェイリーン。




「あったかい……」


余熱の残る体温が気持ち良いのだろう。

引き寄せられるようにシェイリーンは体を起こし…




ギュッ…――――――


やっと起き上がったと思ったら、そのまま体をすり寄せ抱きついてきた。

と言っても、大きなお腹が邪魔をして完全に腕は回りきらなかったが。

それでも、柔らかいシェイリーンの肢体を感じ、焦る。

これでは何のために頭を冷やしてきたのか分からない。




「ベッドはもっとあったかいよ。さぁ立って。」


やんわりと体を離そうとしたが、シェイリーンは嫌々というように頭を小さく振り、離れない。




まだ寝ぼけているのだろうか…

どうしたものか考えていると、シェイリーンがゆっくりと頭を上げる。

やっとこの生き地獄から解放されると喜んだが……




「……てくれないの?」


潤んだエメラルドグリーンの瞳に見上げられ、桃色の唇がかたどった言葉。



「え?」


聞き取りづらくて声を上げれば、キュッと結ばれていた口が開かれる。