同時刻、浴室―――――
はぁ……危なかった。
熱い湯につかりながらため息を吐く。
腕に残る衝動を抑えるために、もう一方の腕で強く握る。
もう少しで手が出るところだった。
そう思ったのはつい先ほどのこと。
仕事を終え、寝室へ戻ってきてみれば愛しい妻がいて。
何か一人で考え込んでいた様子だが、自分を見つけると大輪の花が咲くかのように綺麗な笑みを浮かべて…
その笑顔を見た時、思わず滅茶苦茶にしたい衝動に駆られた。
シェイリーンのお腹には子供がいる。
それを忘れそうになっていた。
今手を出したらこれまでの努力が水の泡だったな…
ため息をついて浴室の天井を仰ぐ。
妊娠したと分かってからというもの、シェイリーンに手を出していなかった。
つわりが酷く、苦しそうなシェイリーン相手にそんな気も起らなかったというのが本当のところだが。
安定期になって、いつも通りの生活が送れるようになっても禁欲生活は続いた。
怖かったのだ。
シェイリーンを壊してしまいそうで。
お腹の子に障りがあるかもしれないことが。

