偽りの結婚(番外編)




その日の夜―――――



「ふぅ………」


寝室の椅子にため息をつきながらゆっくりと座りこむ。

お腹が重い分、普段よりもすぐに疲れてしまうため、日に何度もこうしてソファーに座る。



今日はいつもより動いたため足が痛い。

心配するからラルフには言ってないけど、最近貧血で頭がくらくらするのよね。

こまめに休息を取ってやり過ごしてきているのだけど、やはり辛い。



出産には貧血やつわりがつきものというのだから、世の中の母親を尊敬するわ。

けど…これも赤ちゃんに出会うためよね。




「さぁ、ラルフが帰る前にシーツを取り換えておきましょう。」


昼間洗ったシーツを持って、立ち上がる。

そして、キングサイズのベッドのシーツをゆっくりと時間をかけて取り換えた。




数分後―――――

キングサイズのベッドには綺麗にシーツが敷かれた。




これでラルフが帰ってきても大丈夫ね。

ふふっと笑みをこぼしながら古いシーツを丸め込んだ時だった。

ふと、寝室の壁に立てかけていた全身鏡に自分の体が映る。




「ほんと…大きくなったわ。」


すでに手を回すのがやっとなくらいに大きくなったお腹。

すくすくと育っている我が子に喜びを感じるとともに、あまりにも大きな体型の変化に驚いていた。