「君が時間をくれと言った時は心臓が凍りつくかと思った。また僕から離れて行くんじゃないかと…」
その言葉を聞いて、思った。
またこの人を傷つけてしまったのだと。
自惚れじゃない。
それは切ない表情を浮かべたラルフが物語っている。
いつも堂々としていて、威厳があって。
ちょっとのことでは動じないラルフが、私が離れて行くのではないかと不安になると言う。
それが少しくすぐったくて、でもとても嬉しかった。
だからこそ、目の前で切ない表情を浮かべているラルフを見ていると胸がキュッと締め付けられた。
離れて行かない…私がラルフから離れて行くわけがない。
だって…こんなにも好きなんだから。
この気持ちが全てラルフに伝わればいいのに。
そう思って考えた末が……
フワリ…―――――――
ラルフの首に手を回し、抱きしめた。
頭を胸に抱える様にして、いつもラルフがしてくれているように頭を撫でる。
すると……
「シェイリーン?」
なすがままに包みこまれたラルフが驚いたような声を上げる。

