偽りの結婚(番外編)




真っ赤な顔で俯いていると、ラルフがポンと頭の上に手を置く。



「安定期に入るまでは予断を許さないからね。君の妊娠に気付いた1か月前から君に触れないようにしていたんだ。」


あ……と小さな声を零す。

じゃぁラルフが私に触れなくなったのは私とこの子のため…?





「避けているように見えたのは、君が腕の中にいると手を出してしまいそうで、自制をしていたからかもしれない。」

「そう…だったの……」


私に飽きた訳じゃなかった。

ラルフはずっと私の事を考えてくれていた…

そう……いつもラルフの愛は変わらなくて。

それを一片でも疑った自分が恥ずかしかった。

嬉しさが込み上げてくるのに、素直に応える事が出来ないのは自分が恥ずかしかったから。

ラルフはいつもストレートな言葉をくれるのに。

やっと信じてくれたかい?という言葉に、コクンと頷く事でしか答えられなかった。





「良かった。君に信じてもらえないのが一番辛い。」


ラルフはほっと安堵したような笑顔を見せたかと思うと、少し寂しそうな面影でそう言った。