偽りの結婚(番外編)




「君が妊娠したのを分かっていて黙っていた。」

「え?」


抱きしめる腕に少し力が入る。

そして、ラルフは切ない表情を浮かべて続けた。




「僕たちの子供が出来た事を、君自身に気付いて欲しかったんだ。」


その言葉にキュッと胸が締め付けられる。

切なく微笑むラルフを見ていると、何故自分の変化に気付けなかったのかと後悔が襲った。

けれど、一つ疑問があった。




「何故私が妊娠したと分かったの?」


ラルフは子供の為に王冠とティアラを作っていた。

と言う事は、私のお腹に子供がいると分かっていたということで…

私でさえ気付かなかったのに何故…と思っていると、ラルフは清々しい程の笑顔で答える。





「あぁそれは単純な事だ。君を抱かない日の方が少ないくらいだったから…と言えば分かるかい?」


サラリと言われた言葉。

その言葉の意味を理解するのに1秒…2秒……



「っ………!」


ボンッと音が鳴りそうなほどに真っ赤になる頬。

一方のラルフは…



「そう言う事だ。」


私の反応に、清々しい程の笑顔でそう言う。




何故気付かなかったのだろう…

月のものが来ていなかった事に。

目の前の不安にかまけて、そんな分かりやすい変化に気付かなかったなんて恥ずかしい…