偽りの結婚(番外編)




あぁそうだ…と言うラルフの言葉がスローモーションのように聞こえた。

夢うつつな私を、ゆっくり起こすラルフ。

そして私の手を下腹部に持っていき……




「ここには僕たちの子供がいる。」

「うそ……」


ポツリと呟き、ただ呆気に取られてラルフを見つめる。

ラルフは、クスクスと笑いながらも嘘じゃないよ…と言う。

もしかしてあの吐き気はつわりだったの?

身体のだるさも妊娠が原因?




今までの体調不良と妊娠が繋がった時。

じわじわと現実味を帯びてきた。




「私とラルフの子供……」

「あぁ、そうだ。」


まだふくらみのないお腹に添えられた手。

そして、それを包む温かくて大きなラルフの手。

やっと自分が子供を授かったのだと実感し、喜びに溢れる。




家族が増える……

私とラルフの子供。





けれど、まだ不安はあった。