偽りの結婚(番外編)




「離したら君はまた離れて行くだろう。」


見ているこちらの方が切なくなる様な表情をするラルフ。

深いブルーの瞳は嘘を言っている様には見えない。

引きとめてくれるのは嬉しい。

けれど、そんな必要はないの。




「離れないわ……」


私はもう貴方から離れる事なんて出来ない。




「私は貴方が許してくれる限り、ずっと傍にいる。」


あぁ…また眩暈がする……

ドクドクッ…と内側から大きく響く心音。

その度に息が出来ないくらいの眩暈に襲われる。

きっといきなり動いたからね…

混濁する意識の中、ラルフに伝えた。





けれど……――――



「だって…私には…あなた…しか……いな………」


その言葉は最後まで続く事はなく、ゆっくりと意識を飛ばした。




「シェイリーンッ!?」





フツリと意識が途切れる直前。



ラルフの焦った様な声が聞こえた気がした。