すると―――――
「ッ……大丈夫なのか?」
ラルフは私の言葉を聞くなり残りの階段を一気に駆け上がった。
その顔つきは険しく、固い。
「大丈夫よ……只の眩暈……」
だから…と続くはずだった言葉は途中で途切れる。
ラルフが血相を変えて駆け寄ってくれた事に口元をほころばせていたけれど…
それも、近寄って来たラルフから香って来た香りに笑顔が消えた。
同じ香り……
ラルフから香って来た匂いは昨日と同じ香りだった。
けど何で……
ラルフはダンスをする前に帰って来たという。
この香りが香水だったとしたら、ダンスもしていないのに香りが移る?
「シェイリーン?本当に大丈夫なのか?」
突然言葉を失くした私を心配そうに覗きこむラルフ。
けれど今の私にはそれに答える余裕すらなかった。
こんな強い香り…余程近くに寄らない限りつかない。
けれどラルフはダンスの前に帰ったと言う。
と言う事は………

