偽りの結婚(番外編)




食堂へ行って水を貰おう…

そう思って身体を起こす。



「ッ…………」


途端軽い眩暈が起こる。

寝れば治ると思ったのに。



もしかして貧血が原因じゃなかったのかしら。

それとも食事を取っていなかったから?

どちらにせよ、まずは食堂に行こう。

食べられるようになっているかもしれないし。




重い体に鞭を打って立ち上がる。

そして、ふらふらとした足取りで寝室を出た。






長い長い廊下―――――


やっぱり貧血じゃない。

ふらつく足取りで廊下を歩きながら思う。

貧血なら大抵寝ていればおさまるはずだけど…

眩暈は治らないし、胃はまだもやもやしている。

明日お医者様に診てもらおう…

そう思いながら食堂へ続く廊下を歩いている所だった。






「シェイリーン?」




吹き抜けになっている一階のエントランスから、聞きなれたテノールの声が私の名を呼ぶ。

その声はここにいる筈のない人のもので…

そんなわけがないとは思いつつも、その声のした方向に顔を向ける。