偽りの結婚(番外編)




もし嘘だったら……



「……いつ帰ってくるか言っていた?」


重く口を開く。

するとモニカは目を伏せ…




「いいえ…けれど、今日はブライト公爵のお誕生日ですので夜のパーティーまでお付き合いがあるかもしれないということでした。」

「そうなの……」


ラルフは夜まで帰って来ない。

それだけは分かった。

いつもならパーティーは夫婦で参加するのに。

招待状だって夫婦に来ている筈。

それなのにラルフが一人で行った理由は?






ズキンッ……―――――

治まりかけた胸のもやもやが再び沸き上がる。



「さ、さぁ朝食の準備が出来ました。たくさん食べて元気を出して下さい。」

「ありがとう。」


モニカが私を励ます様に明るい声をかけてくれる。

気を使ってくれているのね…

ワゴンに乗せて持ってきた朝食は綺麗にテーブルに乗せられ、椅子を引いて待つモニカ。

正直なところ食欲はなかったけれど、モニカの好意を無下にするわけにもいかなかった。

気だるい体に鞭を打って立ち上がり、重い足取りでテーブルに向かう。

テーブルの上には、いつにも増して多くの品々が並べてあった。