偽りの結婚(番外編)




寝すぎて眩暈を起こしたのかもしれない。


きっとそうだわ。

いつもよりも眠りにつくのが早かったし。

ほら…眩暈が止んできた。

ベッドの端から足を下ろして座っていると、目の奥でチカチカ光る感覚が消えた。

胃は重いけど、吐き気もだいぶおさまったみたい…




眩暈が止み、落ちついた後――――



「ラルフはどこにいるの?書斎?」


足を床につけ、ベッドに腰掛けながらモニカにラルフの居場所を聞く。

いつもならすぐに返事が返ってくる。




しかし――――――


「え…あっ…いいえ。」


歯切れの悪い答えを返すモニカ。

いつもの彼女らしくない。




「あの…ラルフ様はブライト公爵家に招かれて朝早くに出て行かれました。」


目を逸らしながらそう言う。




こんなに朝早くから?

ブライト公爵のお屋敷は王宮からそんなに遠くない。

ううん…そもそも本当にブライト公爵から招待を受けているの?