偽りの結婚(番外編)




いや……酔っているシェイリーンを襲うわけにはいかない。

なぜなら、今日はシェイリーンの誕生日だから。

今理性に負けて押し倒してしまえば、後が怖いのは目に見えている。

明日何も覚えていないシェイリーンに、折角の誕生日だったのに…と言われてしまうのは本意ではないしな…




「大人だというのは分かったから、一旦落ちつこう。」


自分の胸に添えられている手をやんわりと解きながらそう言う。

しかし、その言葉がシェイリーンの感情を逆撫でしたようで…




「落ちついてるもんっ!」


パシッ…振り払われる手。

はぁ…埒が明かない……

どうしたものかと考えていると…





ピタッ……―――――


「ラルフもドキドキしてるのね。」


シェイリーンが再度胸に手を這わせる。




「私だけかと思った。」


そう言って、シェイリーンも自分の胸を手で押さえる。

ドクンッ…ドクンッ……

心臓が早鐘を打つのは当たり前だ。

欲してやまない人が近くに居るのだから…




「ねぇ…ラルフ。」


艶やかな表情に魅入られる様にシェイリーンの瞳を捉えれば…