「シェイリーン、急にどうしたんだ?」
いつもは恥ずかしがって自分から抱きついてくる事はあまりないというのに。
どういうわけか、べったりとくっついて離れない。
「シェイリーン?」
再度呼びかけると、やっと体を離すシェイリーン。
そして、潤んだエメラルドグリーンの瞳で見上げられ…
「シてくれないの…?」
ピシッ―――――
驚きを通り越して固まる。
「ラルフ…」
シェイリーンに名を呼ばれ、ドクンッと跳ねる心臓。
愛する妻に誘われ、乗らない夫がいるか?
嬉しすぎる展開に、今すぐに押し倒したい衝動にかられるが…
落ちつけ……何かがおかしい。
煽られる欲を抑え、冷静になろうとする。
抱きつかれるまではいい。
問題はその後だ。
“キスマークをつけて”などと、シェイリーンは言うだろうか。
答えは…否。
むしろ、いつもつけないで欲しいと訴えているじゃないか。
それを無視して自分のものだと言う印をつけるのがいつもの事。
しかし、今日はどうだろう。

