偽りの結婚(番外編)




カン…―――――


グラスが重なり合う音。




「誕生日おめでとう、シェイリーン。」

「ありがとう、ラルフ。」


そう言って、シェイリーンは両手で持ったグラスを傾ける。




コクンッ…―――――

喉を通る、果実酒。

ワインを飲みつつ、シェイリーンの反応を待てば…



「甘くて、美味しいわ。」


どうやら果実酒が気に入った様子。

果実酒なら大丈夫のようだな…




「果実酒は飲みやすいからね。」


ほっとしながら、開いたグラスに果実酒をそそぐ。





「そう言えば、ベルナルドさんも果実酒を送ってくださると言っていたわ。」

「あいつが?」


コクコクと果実酒を飲みながら言われた言葉に、思わずグラスを持つ手が止まった。

あいつと同じ酒を選んだ事にも良い気はしないが…

それより何より、なぜあいつがシェイリーンに果実酒を送るんだ?

まさかまだシェイリーンの事を諦めていないのか。