シャー……――――
寝室に設置された浴室から聞こえてくる水音。
今ちょうど、シェイリーンがシャワーを浴びているところだ。
あれから――――
王宮に戻り、待ち受けていた父や母に誕生日を祝われ。
王宮に住まう全ての者がシェイリーンの誕生日を祝福した。
そんな祝われ方をした事がなかったのか、シェイリーンは戸惑っている様子だった。
特に父上と母上がシェイリーンにと用意したドレスは、なかなか受けとろうとしなかった。
シルクの様な肌触りの一級品のドレスだと目に見えて分かる様なものだったからだろう。
只でさえプレゼントを受けとる事に抵抗のあるシェイリーンに、そんな高級なドレスを受け取らせるのは至難の業だ。
父上と母上は、泣きそうな顔でシェイリーンに訴えていたな。
その場面を思い出し、思わずクスッと笑う。
さて…これは受けとってもらえるだろうか。
手の平のものを見つめながらそう考えていると…
カチャ……―――
浴室の扉が開く音。
慌てて手の平のものを枕の下へ隠す。
そして―――――
「ラルフ…何か面白い事でもあったの?」
先程の思い出し笑いを聞かれていたのか…と思いつつシェイリーンの方を振り返って、固まる。

