偽りの結婚(番外編)





そして、あらん限りの力で抱きしめる。

すると……



「ラル…フ……っふ……」


やっと声を上げて泣き出すシェイリーン。

それにひとまず安心しながらも、罪悪感は消えてくれない。

今自分にできる事はこれだけだ。

ただ細い肩を抱きしめ、シェイリーンの気の済むまで泣かせた。









「本当にすまなかった、シェイリーン。」


シェイリーンが落ちついたのを見計らい、改めて謝罪を述べる。

すると、シェイリーンはゆっくりと体を離す。

涙に濡れた瞳がこちらを見れば、容易に高鳴る鼓動。

その涙を指でそっと拭い…



「君から家と家族を奪った僕が言うのも何だが…これからは僕が君を愛す。」


本当によくこんな言葉が出たものだ。

シェイリーンだって、目を見開いてこちらを見つめている。

この人何を言っているの…とでも思っているのだろうか。

きっと、呆れられている。


だが……



「僕は君から離れては行かない。」


シェイリーンを幸せにする自信はある。

少なくとも、あの継母と義姉よりは格段に。