偽りの結婚(番外編)




もとより、シェイリーンとスターン家が繋がっている事を良く思っていなかった。

シェイリーンは、どこへ行っても“落ちぶれた伯爵家の令嬢”という目が付きまとい。

表に出しはしないが、その度に傷ついていた。



それは、シェイリーンとスターン家が結びついているからで…

あの継母と義姉がスターンを名乗っている限り、そのレッテルは付きまとうものだと確信していた。

爵位は伯爵と、中位に属していながら屋敷はボロボロ。

庭は荒れ果て、使用人の一人もいない。

その環境を少しでも変える為に、スターン家へ支援をしたのだが…

屋敷がいくら立派になろうと、夜ごと遊びにふけ、あまり良くない噂の流れる継母と義姉のお陰で、そのレッテルは拭われる事はなかった。





だからこそ、今回このような最終手段に出た。

継母と義姉だと言えど、仮にも家族と縁を切らせるような真似をして…

本来ならば怒っても良いはずだ。




しかし――――


「ううん、あれで良かったの。事前に言われていたらきっと躊躇っていたわ。それに、私もお継母様たちといつか話さなきゃと思っていたから。」


シェイリーンはそう言って微笑んだ。

どこか無理した笑顔に、ズキッと胸が痛む。