偽りの結婚(番外編)




いくら私が望んでも。

ミランダとイリアが受け入れてくれなければ、私たちは永遠に家族になれない。

そして、その最後の願いですら受け入れてはもらえなかった。

だから…これで終わり。

私が居ない事で、お継母様とお義姉様が幸せならそれで良い。




「決まりですね。では、後日ハロルド氏の遺産を貰いうけに来ます。その時に対価をお支払いしますので。」


淡々と話が進むのをただラルフの隣で見守る。



「分かりました。」


これで私はスターン家に戻って来る事はないのね。

改めて、屋敷を見る。

今や改装され、見慣れた屋敷ではなくなったけれど。

建物の形そのものは昔のままで…

もうここには来られないと思うと寂しい。



ぼーっと屋敷を眺めていると―――


「シェイリーン、行こう。」


隣に立つラルフから優しく声をかけられる。

それに、微笑んで「えぇ」と言って、差し出されたラルフの手を取る。




そして―――――


「お継母様、お義姉様、お元気で。」


最後の別れの挨拶。

返って来る事のない声を待たずに、スターン家を後にした。