偽りの結婚(番外編)




けれど、正直なところこれは私に決定権がある様な話ではない。

ミランダたちがノーと答えれば、私はまだスターン家の人間でいられ…

イエスと答えれば、お金と引き換えにハロルドの遺産をもらいうけ、スターン家と縁を断つ。

結局のところ、ミランダとイリアの判断に任せるしかないのだ。

こんな事を聞いたところで、答えはもう何となく分かっているのだけれど…

それでも、最後の望みをかけて聞いてみた。

これでダメならもう……

そう思って、ミランダとイリアの答えを待てば…




「私は支援さえしてもらえばどうでもいいわ。」

「そうね、お義父様の遺産なんてがらくたばかりで売れないもの。お金にしてくれた方がよっぽど嬉しいわ。」


何のためらいもなく、私との縁を切ったミランダとイリア。

不思議とあまりショックはなかった。

ラルフがこの話を持ち出した時に、何となく感じていたからか。

20歳になり、自立精神が目覚め始めたのか。

もう、ここには自分の居場所はないのだと、嫌でも思わされた。




「そう…ですか。お継母様とお義姉様がそうおっしゃるなら仕方ないわ。」


それでも少し胸が痛くて。

笑顔で微笑んだけれど、上手く笑えた自信はなかった。