偽りの結婚(番外編)




その声にうっとりしたのは私だけではない。

ミランダとイリアも軽く目を見開き、驚いている。

イリアなどは頬が赤かった。

ハッ…と我に返ったミランダが、コホンッ…とわざとらしい咳をする。



「で、ですがラルフ様。いくらランカスターの姓を名乗るようになっても、事実上、シェイリーンはスターン家の人間でもありますわ。」


チラリと勝ち誇った様な笑みを浮かべるミランダに、ラルフはフッと笑う。



「それも今日までだ。」

「何を……」


突然声を低くしたラルフに、たじろぐミランダ。

ラルフの圧倒的な存在感に、恐れすら抱いているようにも感じられる。



「シェイリーンは今日で成人した。」

「それが何か?」


間髪いれずに、聞き返すミランダ。

私の誕生日すら知らなかったのだろう。

まるで興味がなさそうだった。

その様子に、ラルフは深いため息をつき、小さな声で「これだから…」と呟く。

そして、スッ…とラルフの顔から笑顔が消え……






「今日より先、シェイリーンはスターン家とは一切の関わりを断つ。」

「ッ………!」



本日二度目の驚愕だった。