偽りの結婚(番外編)




「怖い継母と義姉に傷つく彼女は見ていられない。」


そう言って、私の頭に口づけるラルフ。




「ラ、ラルフ!?」


突然のラルフの言動に思わず声を上げ、仰ぎ見れば…


フワリ…――――

優しい笑顔を向けられる。

それは、“大丈夫だ…”と言ってくれているようで。

今まで嫌な音を立てていた心音が、嘘みたいに穏やかになる。

しかし、目の前の二人は穏やかな様子ではなく…




「無礼なッ!いくら王子と言えど、許されませんわ!」

「そうですわ!シェイリーンは私達の家族。それをどう言おうが貴方様には関係ありません。」


顔を赤くしてそう言う、ミランダとイリア。

一方のラルフは、そのような責め苦はどこ吹く風。

一つも気にした様子もなく、口を開く。



「いいや、シェイリーンはもう貴方達の家族ではない。」


悠然と言い放つラルフ。

そして、蕩ける様な笑みを浮かべ…




「シェイリーンの家族は僕だけで十分だ。」


低く甘い声で、そう言った。