そして音が鳴るやいなや奥から人の声がした。
「はーい、誰なの?」
女性特有の高い声にドキッと心臓が跳ねる。
トントントンッ…と扉に近づいてくる足音。
キィー……――――
緊張で乱れる心音を耳元で感じながら、ゆっくりとスローモーションで開く扉を凝視する。
そして、扉を開けた人物が露わになる。
その人物は久しく顔を合わせていない義姉のイリアだった。
「ラルフ様ッ…と、シェイリーン?」
ラルフを見てパァ…と嬉しそうな笑みを浮かべ、横にいる私に視線を移し、眉を顰める。
まるで、何故ここに居るのか…と目で訴えられているようだった。
その視線に居たたまれずにいると、屋敷の奥から声がした。
「シェイリーンですって?」
次いで出てきたのは、継母のミランダ。
こちらも訝しげな声を上げながら戸口へ出てきた。
すると、イリアの様に頭のてっぺんから足のつま先まで舐めまわされる様に視線を這わされた。
「ぁ………」
我慢できずに小さな声が漏れるが、続く言葉は出てこない。
何か話さなければ…と思う反面、何を話して良いのか分からないのが正直なところだった。
ミランダとイリアに会うのは私が王宮を出た日以来。

