偽りの結婚(番外編)




ラルフがここに来た目的は何…?


考えを巡らせど、一向に答えは出ない。

あの扉の向こう側にいる人は、スターン家の二人しかいなくて。

その二人は、私になど会いたくもないはず。

それはラルフも良く知っていると言うのに…

どうして、今日になってここへ来たのか。

心の準備が出来ていない事に加え、目的が分からないと、不安もそれだけ増した……






けれど――――

心のどこかで、この日が来ることを予想していた。

今まで、自分が二人に会うのが怖くて、避けて。

一番向きあわなければならない人達から逃げていたから。

例え血が繋がっていなくとも、家族という縁で結ばれている限り、一度は向きあう時が来る事がある。

それが、今なのだろう……




「僕に任せてくれるかい?」


ラルフの問いにコクンと頷く。

どこまでもラルフを頼りにする私は、結局“弱い”のだろう。

けれど、ラルフがいなければ、この一歩が踏み出せないのも事実。

新たな一歩を踏み出すために、今その扉の前に立つ。




そして……


コンッ――――

コンッ――――


その為の“音”は鳴った……