偽りの結婚(番外編)




ガタッ――――

ゴトッ――――



馬車を走らせる音だけが響く空間。

隣に座るラルフは、黙って外の景色を見ていた。

ノルマン家を出てから、ずっとこの調子だ。



別に、自分が何をしたわけでもないけれど…

この上なく居心地が悪いのは言うまでもない。




「…………。」


心の中で溜息をつきつつ、馬車の外の風景に目を移す。



あれ…この馬車……


馬車が走る道に、違和感を感じた。


そうか………


違和感の原因に思い当たり、口を開く。




「あの…ラルフ?どこへ行っているの?」


朝、来た道とは違う道を走る馬車。

それが、違和感の原因だった。




「秘密。もうすぐ着くよ。」


こちらを向いたラルフは、柔らかい笑みを浮かべた。

良かった…怒っているわけではないみたい。