偽りの結婚(番外編)




「どうして?」


疑問符を浮かべてルークへ問えば…



「視線が怖い。」


小声で顔に引き攣った笑顔を浮かべ、視線を向けた先は、私の後ろ。

けれど、クルッと振り返ってみても、先程と変わらぬ笑顔がそこにあった。



「気のせいじゃないかしら。」


再び、ルークの方へ向き直り、そう言う。



「いや、今も睨まれてるぞ。」


固い笑みを浮かべ、冷や汗をかくルーク。




「そんなに嫉妬丸出しでは、シェイリーンに愛想を尽かされますよ?」


フッと皮肉を込めた笑みを浮かべ、そう言ったのはベルナルド。

ルークとは対照的に、ラルフを真っ直ぐと見据えている。




「大きなお世話だ。」


背後から、ムスッとした不機嫌な声が上がる。

アリアを見れば、始まった…と、なんとも呆れた表情をしている。

ラルフとベルナルドが顔を合わせると、いつもこんな雰囲気になってしまうのだ。

険悪とまではいかないけれど、どこか仲の悪さを感じてしまう二人の雰囲気。

もうベルナルドさんも、私も、とうに自分の気持ちにはけりをつけているというのに。




「帰るぞ、シェイリーン。」


「は、はい!」


不意に腰を引かれ、馬車の方へ引かれて行く。




「じゃぁ、みんな、またいつか。」

そう言って、ノルマン家を後にした。