偽りの結婚(番外編)




正門の前――――

見慣れた豪華な馬車が止まっている。



「ラルフ様は相変わらずきっちりしてるわよね。」

「あぁ、約束の時間きっかりだ。」

アリアの感心したような声に、同調するルーク。




しかし―――――


「ただ単に、シェイリーンをここに長居させたくないんだろ。」

フンッと面白くなさそうに言うのはベルナルド。

私はただ、渇いたような笑みを浮かべるしかなかった。

そんなやりとりをしている内にも、馬車のドアが、カチャッと開く。

降りてきたのは、当然ラルフその人。

こちらを捉えると、ふわりと微笑む。



ドキッ――――


今朝の今で、ラルフを見て胸が高鳴るのは、あの花言葉のせい…



「シェイリーン。」

耳になじむ声に引かれる様に、差し出された手を取れば、ゆっくりと引き寄せられる。


「たくさんプレゼントを貰ったようだね。」

そう言って、私の手に抱えられたプレゼントを見るラルフ。



「え、えぇ、そうなの。」

ドキッと心臓が跳ね、思わずプレゼントを抱える手に力が入った。




アリアのプレゼントだけは、ラルフに見せられないわ…