偽りの結婚(番外編)




パタンッ――――

後ろで扉が静かに閉まる。

扉の向こう側で聞いた事が夢の様に、ぼーっとする。

けれど、間違いなく心臓はドキドキと早鐘を打っていた。



あのお花の花言葉が“永遠の愛”――



ラルフはこの花言葉を知っていたのかしら…


知っていたとしたら―――



『どうしてもその花を君に送りたかった』



とっても嬉しい……

胸を抑えた手が甘い高鳴りを感じる。

冷めやらぬ頬の熱を、手をあてることでやり過ごしていると―――




「シェイリーーーーン!」

前方から大きな声を上げて自分の名を呼ぶ声。

その声に花言葉とラルフの事でいっぱいだった頭がようやく覚める。

しかし、え?…と思った時には既に遅く。



ドンッ―――――

“それ”は私に勢いよく抱きついた。

視界いっぱいに広がる赤みがかった茶色の髪。

その行動と見慣れた光景に、誰が抱きついてきたかなど明白で…



「アリア、久しぶりね」

相変わらず手加減というものをしらない親友を抱き止めつつも、久しぶりの再会を喜ぶ。