「シェイリーンさんが、ラルフ様のお妃様だと知らなくて・・私・・・あんなこと・・・。」
最後の方は、周りの雑音にかき消される程に小さかった。
あぁ・・・あの時の・・・
シェイリーンは、マリナの言いたいことを理解した。
そして、マリナに優しく微笑みかける。
「頭を上げてください、マリナさん。」
まるで春の木漏れ日を思い出させるような温かい声で促す。
おずおずと、顔を上げるマリナだが、その表情はまだ自分を許せていない様子。
「あの時は、私も身元を隠していたから、おあいこよ。」
「けど・・・ッ!シェイリーンさんを傷つけてしまった。」
シェイリーンの顔を見るのが怖いからか、マリナは視線をちらりとしか合わせてくれない。
そんなこと・・・私達の関係を知らなかったマリナさんが気にすることではないのに・・・・
きっと、マリナさんの事だから自分のせいで私達が離婚したと思ったのね。

