偽りの結婚(番外編)




人見知り…ではないが。

シェイリーンは、“妃”としての立場を意識しているのか、親しい者の前でしか自分を出さない。


結婚してからは、それが際立ってきていて。

特に、初めて会った者の前では、上手く自分を出せないようだ。




それは、昨日会ったばかりのウィリアムにも該当することで…

ウィリアムと、迷路園の出口まで向かっている筈だが、雷が落ちた今、どうしているだろうか。

いつものように、細い肩をカタカタと震わせている事は確かだ。


そして、いつもなら、ボロボロと涙を零して。

細い腕が自分の背に回って、抱きついてくる。

雷が落ちる時は、数少ない、シェイリーンの方から抱きついてくれる時だった。



しかし、今はどうしているだろうか……

会ったばかりのウィリアムの前で、気丈に振る舞っているだろうか?

それとも、あのトラウマが蘇ってパニックになっているか…


後者の方が妥当だろう。

初めてシェイリーンが雷が苦手だと知った時、屋内でもあの怯え様だったからな。



そう思うと、居ても立っても居られない。

このまま、出口に行けるはずもなかった。