偽りの結婚(番外編)




遡る事、数分前――――


シェイリーンを探し、入った迷路園で…


ピィー……――――

降りしきる雨の音から聞こえてくる、長い笛の音。



「ッ………!」


シェイリーンが見つかったのか…



ウィリアムと迷路園に入って数十分後。

先にシェイリーンを見つけた方が笛を鳴らすと言う手はずになっていた。

そして、この笛の音を聞いたら、それぞれがその場から迷路園の出口を目指す筈だった。


しかし……――――



ピカッ……ドンッ――――

落ちたか……しかも近いな……

直後に落ちた雷に、その計画も揺らいだ。

すぐに、足は出口ではなく、笛の音が聞こえた方へ向いた。

否、最初から計画通りに動くわけもなかった。

いつもとは違う、この空の下で感じる雷。

それは、シェイリーンが初めて雷を体験した時の状況と重なっていて…


しかも今回は洞窟などと言う隠れる場もない場所。

恐らく、今までにない恐怖を感じているだろう…

そして、今一緒にいるのはウィリアムだ。