偽りの結婚(番外編)




会って、昨日の事を謝りたい。

ただ、ガーネットさんやラルフの昔の女に嫉妬しただけだということを。



謝らなきゃ……



その想いだけが、この状況で唯一私を支える原動力となった。

震える体をギュッと抱きしめた後――

カタカタと震える足で、ゆっくりと立ち上がり。

迷路園の壁を沿いながら、一歩一歩、歩く。






どれくらい歩いただろうか…

雨は時間が経つにつれ、強まり。

雲は、更にどんよりと厚い雨雲となった。

長時間外にいた為、体も冷え切って、寒い。


加えて、精神的な疲労ものしかかる。

いつまでたっても見えてこない出口に、焦燥感が募り、それはやがて衰弱へと繋がって行く。


そこで、ふと気付く。

雨で体に張り付いたドレスは、ガーネットが着ていた様に体のラインがくっきりと浮かんでいた。

あんなに着たいと思っていたドレスの様なのに、ちっとも嬉しくないのは、とても惨めだから。



あんな事…言わなければ良かった。


自嘲的な笑みを浮かべていれば…





タッタッタッ…―――

「ッ………!」

こちらへ向かってくる足音が耳に入る。