偽りの結婚(番外編)




「今日はもう迷路園への入場は終わったぞ?雨も降って来たしな。」

そう言って、雨を手の平で受けとめる仕草をするウィリアム。

これから、この迷路園へ入るのは賢くない。



しかし、これだけは譲れない―――


「シェイリーンがまだこの中にいるんだ。」

焦る気持ちを抑え、ウィリアムに告げる。



「シェイリーンさんが?」

訝しげな表情をするウィリアム。

お前がここにいるのに?…とでも言いたげな視線。



「あぁ、しかも一人で。」

「ッ……すぐに探しに行こう。」

短い説明で伝わったのか、ウィリアムは迷路園の入り口の扉を開く。



「助かる。」

そして、ウィリアムと共に、迷路園へ入った。





シェイリーン……

待っていろ、すぐに迎えに行く。



雨が降りしきるこの迷路園で…

冷たい雨と、鳴り響く雷の音に震えるシェイリーンを想い、迷路園の奥を目指した―――