周囲の人々も、各々談笑しているものの、こちらに熱い視線を送っている。
恐らく、シェイリーンと自分が抱き合って、ソフィアが睨んでいる構図から、やはり修羅場だと勘違いしているのだろう。
「ありがとう。行ってくるわ。」
嬉しそうに微笑み、ソフィアと共に人ごみに消えていくシェイリーン。
途端、令嬢たちが周りに群がる。
はぁ・・・
心の中で溜息をつく。
まだ自分は、外見と家柄で人を引き付けているから良いが、シェイリーンに寄ってくる者は彼女の人柄に引きつけられる者ばかり。
だからこそ、このような場では悪い虫が付かないようにしているのだが・・・
シェイリーンといると、心が休まることを知らないな。
ふっと、嬉しそうな溜息をつき、ラルフは令嬢たちのダンスの申し出を断る。
さて、モルト王国の重役たちにでも挨拶に行くか・・・
そうして、ラルフも人ごみに消えて行った。

