偽りの結婚(番外編)




対するガーネットは、一瞬怯むが…


「私はそのつもりで言ったのよ?」

チャンスとばかりに、ワインレッドの瞳が光る。


この女…何を言っているんだ?



「お前にはレナードという婚約者がいるではないか。」

多数の女性と浮名を流してきて言えた立場ではないが、シェイリーンという唯一人の存在が出来てからは、他の女には目もくれなかった。

だからこそ、ガーネットの今の関係を壊すような事もしたくない。

しかし、返ってきた言葉は驚くべきものだった。


ガーネットが妖艶な笑みを口元に浮かべたかと思えば…



「あぁ……レナードは婚約者でも何でもないわ。貴方に近づく為の嘘よ。だって、警戒されるでしょう?」


「ッ………!」


嘘だと……?

だとすれば、レナードもこの偽の婚約には了承済みなはず…



クソッ…………

心の中で、盛大に悪態をつき、歩き出す。

しかし……


パシッ―――――

「どこへ行くの?」

ガーネットの腕に制止され、そう問われる。



「迷路園だ。シェイリーンを探しに行く。」

煩わし気に答える。