「分からない…か。僕には分かるけどね。」
横を歩く、レナードの歩みが止まった。
それに引かれる様に、歩みを止めれば―――
こちらを向くレナードが、笑みを向けて口を開く。
「ラルフ様は、君を利用する為に結婚したんだよ。」
「りよ…う……?」
やけに自信のあるような表情をするレナードに、不安は高まるばかり。
「そう、ラルフ様は国王様や王妃様から、早く結婚を…と口うるさく言われていただろう?」
レナードの言葉に、コクリと頷く。
エドワード様と、リエナ様が、ラルフに早く結婚をして欲しいと思っていたことは知っている。
だからこそ、あんな舞踏会を開いたんだし……
「だから、取り敢えず落としやすい君と結婚したわけだ。若くて、無知で、疑う事を知らない“子供”の君をね。」
フッと微笑むレナード。
「君をカモフラージュに使おうと考えているんだよ。」
「ッ……ラルフはそんな事…「そんな事ないって断言できるかい?」
だって、それは偽りの結婚をしていたときでしょう?
今は大丈夫…ラルフはちゃんと私を愛してくれると言ってくれたもの……
けれど、一方で、ラルフが私に飽きているのではないかと思う事もある。
結婚をして、やっぱり私ではダメだった…と思っているのではないか。
やはり、大人な女性の方が付き合いやすいと思っているのではないか…と思うのだ。
そんな想いがあったからこそ、レナードの言葉にスッと返す事が出来なかった。

