偽りの結婚(番外編)




迷路園に入って数十分後――



2メートルはありそうな高さの生垣の迷路を歩く私とレナード。

行けども行けども、出口にたどり着けそうもない迷路園。



一人だと、確実に迷い続けていたわ。

迷路園と言えば、このネイル王国に来た時から入ってみたいと思っていたけれど……

今は、迷路園に入れた喜びと、ブーケを求めて入った目的など、どこかへ行っていた。


その原因は明らかで……



上の空で歩いていると―――

「いつも、あんな感じなんですか?」

「え……?」

ボーっとしていたところ、レナードに声を掛けられる。

それまでの会話も、上の空で聞いていたので、会話の流れが読めず、問われた事に疑問で返してしまう。




「ラルフ様との事です。」

「えっ…あぁ……。あの…昨日、ちょっと喧嘩をしてしまって。」

あれは喧嘩…なのかしら……

ただ、一方的に私が怒っただけなのに、喧嘩と言うのは違うかもしれない。




「何で喧嘩をしたんだい?」

レナードは、笑顔を向けながらサラリとそう言う。