偽りの結婚(番外編)




もう既に、気持ちは迷路園へ向いていた。


しかし――――

「シェイリーンには無理だ。」

「無理じゃないわよ。“子供”じゃないんだから。」

ラルフとガーネットの言葉に、ピクリと反応する。



「いいや、この迷路園の広さを侮っていると、後で痛い目に遭うぞ。只でさえ巨大なのに、初めて迷路園に挑戦するシェイリーンが出口までたどり着ける訳がない。」

「だから、レナードがついていくと言っているのよ。」

ラルフとガーネットの会話が、段々と遠のく。




やっぱり、ラルフは私のこと、子供扱いするのね。

私、まだ成人していないけれど、もう19よ?

迷路園に挑戦するのだって、大丈夫。

レナードさんが一緒に行ってくれれば、出口までたどり着けるわ。



「ッ……行きます。」

気付いたら、ポツリと呟いていた。


「……シェイリーン?」

ラルフの訝しげな声が、こちらを伺う。



「レナードさん、私と一緒に迷路園へ入っていただけますか?」

「えぇ、喜んで。」


レナードは二つ返事でそう答えた。



「行きましょう、レナードさん。」

そうして、私は呆気にとられたラルフと、微笑むガーネットをその場に残し、迷路園へ歩き出した―――