翌日―――
ネイル王国の王宮に前日入りしていた招待客が出席する、王子の結婚式が開かれた。
外庭の花々に囲まれた、広い庭園で行われる結婚式。
今まさに、ウィリアム王子とリリアン様が指輪の交換をしているところだ。
指輪の交換をする二人、そして、この会場にいる全ての人が至福を感じる瞬間―――
……にもかかわらず、私の表情は、自分でもわかるくらい沈んでいた。
それは今日の朝の事―――
目を覚ましたら、いつもの重みがないことに気づき。
隣を見れば、ラルフは既に起きて、結婚式に出席する準備をしていた。
「おはよう…。」とだけ呟いたものの、どこか気まずくて、視線を逸らして。
朝から今まで、会話という会話をしていない……
もしかして、昨日枕を投げつけた事を、怒っているのかも。
朝だって、何だか眉間にしわを寄せていたし……
そう思うと、怖くて自分から踏み出せない。
ワァー………―――――
招待客の歓声と共に、パチパチと拍手の音が聞こえ、ハッ…と現実に引き戻される。
いけない……こんなに晴れやかな日なのに。
暗い顔をしちゃダメだわ…
そう思いながら、ウィリアム王子とリリアン様の幸せそうな姿に、拍手を送る。

