偽りの結婚(番外編)




シェイリーンの髪を梳いていた手を止める。

ギュッと握った手を顔の前に持ってきて、小さく丸くなって眠るシェイリーンの顔を覗けば……



「ッ…………。」

眉を寄せて、切ない表情を浮かべて眠るシェイリーン。

目尻には、月夜に照らされてキラリと光るもの。

ソレを、指の腹でそっと拭う。




子供はどっちだか………

自分のエゴで、シェイリーンを傷つけてしまったことに、嫌気がさす。

大抵の事は、冷静にこなす癖に、シェイリーンの事となると何故こうも暴走してしまうのか。

あの様子じゃ、シェイリーンが許してくれるまで、しばらくかかりそうだ。



後悔の溜息を零しながら、投げられた枕を拾い上げ…

シェイリーンの頭の下に手を差し入れ、そっと持ち上げる。

そして、枕を下に敷き、シェイリーンの頭をそっと枕の上へ下ろした。


「んっ………。」

一瞬身じろぎをしたが、起きる気配はない。


よっぽど疲れたんだな。

動かしても目を覚まさないシェイリーンの頭に口づけを落とし、自らもベッドに横になる。

いつもはシェイリーンを抱きしめながら眠るが、今日はそれさえ叶わない。


同じベッドにいるのに、抱きしめる事の出来ないもどかしさを感じながら、眠りについた――――