偽りの結婚(番外編)




寝た…か………


こちらに背を向けて眠るシェイリーンを見つめる。

あれからすぐに眠りについたのは、慣れない土地に来て、疲れていたということもあるだろう。


ベッドに散らばる、プラチナブロンドの髪に手を伸ばす。

サラサラと手に馴染む髪を梳きながら、先程の事を思い出す。




全く……

何故急に、あんな事を言いだしたんだか。

香水など、一度もつけようとはしなかった癖に。

むしろ、匂いがキツイと言って、嫌っていたではないか。

こちらとしても、シェイリーンがその方面に疎い事に安堵していた節もある。


香水に、化粧に、ドレス。

シェイリーンに似合わないわけがない。



しかし―――

シェイリーンの魅力を知っているのは自分だけで良い。

綺麗になったシェイリーンを、他の男の目にも入れたくない。

そんな、どうしようもない嫉妬心から、あんな事を言ってしまったのだ。



怒って枕を投げつけるのも無理ないな。

フッ…と自嘲的な笑みが浮かぶ。