偽りの結婚(番外編)




場所は変わって、ネイル王国のある一室―――


ここは、明日の結婚式の為に、一晩用意された部屋。

二人だけだというのに、やけに広い部屋だ。

部屋には、天蓋付きのダブルベッド、ふかふかの絨毯に、ソファー。

見ていて飽きないアンティークの数々は、素人目でもとても高価なものだという事が分かる。




「今日は随分楽しそうだったじゃないか。」

ベッドの上から、部屋を見渡していれば、夜着に着替えたラルフがベッドの端に座る。



「えぇ、楽しかったわ。質問攻めにはちょっと困ったけど、ネイル王国の女性達は皆優しいのね。」

持ってきていた本を閉じ、ラルフの方へ向く。



「それに、ガーネットさんの紹介で、ネイル王国のサロンにも参加させてもらえる事になったわ!」

「それは、良かった。友人が増えると良いな。」

そう言って、頭に手を置いて、くしゃっと髪を撫でるラルフ。



もぅ……また子供扱い……

ぷくーっと頬を膨らませるが、子供っぽい仕草に、慌てて空気を抜く。

代わりに、ラルフの扱いに、不満を込めた視線を送れば…



「そんなにむくれていると、可愛い顔が台無しだぞ?」

クスッという笑いの後、頬を軽くつままれる。



「子供扱いしないで。」

フイッと視線を外し、ラルフに訴えるが…