偽りの結婚(番外編)




「ラルフは、あまり笑わない人だったんですか?」

そう言えば、訝しげな表情をする女性達。


「あっ…あの、私ラルフと結婚して間もないもので…。恥ずかしながら、昔のラルフを知らないんです。」

妻が夫の事を知らないとは如何なものか。

それは、訝しげな顔もしたくなるわよね…



焦りながら言い訳をすれば―――

「そう言う事だったのね。」

「去年来国された時は、あんなに柔らかい雰囲気じゃなかったものね。」

ふふっと笑う女性たちに、ほっと安堵の息をつく。



「笑うと言っても、微笑むくらいで、あんなに幸せそうな笑顔は初めてです。」

「きっと、シェイリーン様とご結婚なさったからですわ。」

女性達の言葉に、かぁ…っと頬を染める。

なんだか、くすぐったい。

ラルフとの結婚を、こんなにも肯定的に捉えてくれた人はあまりいなかったから。

いたとしても、アリアやモニカのような内輪だけ。

こうして、純粋な第三者から認められた事が、本当に嬉しかった。




「けれど、シェイリーン様が、ラルフ様のお妃様だとは思いませんでしたわ。」

「……?……何故ですか?」

もしかして、妹に見えた……とか?