「マリナさんが来ているんですか?久しぶりに会いたいわ。」
シェイリーンがキラキラとした目で、そう言う。
久しぶりということは、前にも会っているということか・・・
ラルフは記憶をたどって、マリナという名前を探る。
・・・っ!
思い出した。
グレイク侯爵夫人主催のサロンに来ていた令嬢だ。
確か、シェイリーンよりも少し上の変わり者の令嬢だったな。
シェイリーンの話では、令嬢だと言うのに、珍しく髪を短く切りそろえていて、冒険小説を好んで読むという令嬢。
「私がマリナのところまで案内するから、行きましょう?貴方も妃となった身なのだから、こんな時ぐらいしか会えないわよ?」
ソフィアが、そう誘惑すれば・・・・

