偽りの結婚(番外編)




けど……良かった……

ラルフと男女の関係がないと分かっただけで、こんなにも心が軽くなるなんて。


ほっと安堵していれば、ガーネットがこちらへ視線を移す。



ビクッ――――

真っ直ぐと、その名に相応しいワインレッドの瞳から見つめられ、言い知れぬ震えが起こる。

ざっと一瞥するように下から上まで全身に視線を這わされた後、ニッコリと笑うガーネット。



「シェイリーンさんだったかしら?ガーネットよ、よろしくね。」

スッと差し出される、細くて長い手。



「は、はい。よろしくお願いします!」

その手を取れば、やはり、女性らしい滑らかな肌の感覚。


「ふふっ…シェイリーンさんって、可愛いのね。」

近くで見ると、本当に綺麗な人だった。

ワインレッドの瞳と紅いグロスがひかれた艶やかな唇。

仄かに香る香水は、大人の女性を醸し出していた。



私もつけようかな…香水……


こんな大人の女性を目の前にすると、子供の自分が情けなくなって、勝手に落ち込んでしまう。

ラルフも、こんなに大人の雰囲気を持っている女性と付き合ってきたのなら、大人な女性がタイプなのだろうし……


そう思って、自分を見つめ直す。



はぁ………

やっぱり、溜息しか出てこない。