偽りの結婚(番外編)




いつか、こんな日が来るのではないかと思っていた。


ツキン――――

けど、やっぱり、少し胸が苦しい。




「元気だったか?」

ラルフは、何事もなかったように話しかける。

私の知らないラルフを、この人は知っている。

夫婦という確かな絆があっても、不安になるなんて…



「えぇ、貴方もやっとパートナーを見つけたのね。」

チラリとこちらを向いて、微笑む。


え……?

あなたも………?

そう言えば、先程からガーネットの隣に寄り添うようにして立つ男性。


この人はもしかして…


「君も、幸せそうで何よりだ。」

「えぇ、今とても幸せよ。」

婚約しているの…と言って、ガーネットは男性の腕に頭を寄せる。


途端に、スッと消える先程のもやもや。

なんて現金な私の心。