偽りの結婚(番外編)




「ごきげんよう、皆様。」

綺麗に通る、艶やかな声。

その場にいた皆が、その声のする方へ顔を向ける。



「ガーネット様。」

そう呼ばれた女性は、背の高い男性に腕を絡ませ、やって来た。

豊満な体に沿うように作られた、真っ赤なドレスは、とても彼女に似合っている。




「ガーネット……。」

ふと、隣のラルフが呟く。

友人かしら……



ラルフを見上げれば、苦々しい表情。

友人に会った時に見せる様な顔ではないことは確かだ。



もしかして……と、思っていた時だった。




「久しぶりね、ラルフ。」

ラルフ……?

その呼び方に、ピクッと反応する。

ラルフを敬称なしに呼ぶ人なんて、そうそういない。

王族の人なら納得いくけど、ガーネットはそうでもないみたいだし…



…とすると、目の前の妖艶に微笑む彼女とラルフの関係は一つ。

それに、ガーネットがラルフに向ける視線で薄々気付いていた。




この人は、ラルフの昔の女だと………