ザワザワ――――
ラルフの一言で、先程よりも大きな喧騒に包まれるホール内。
特に、女性の声が目立っていた。
『妃って……、あの妃!?』
『ラルフ様が結婚なさったの!?』
ホール内は、軽く混乱状態。
ここにいる人たちは、ラルフの婚約者を決めるための舞踏会が開かれた事を知らないのね。
だから、私が落ちぶれた伯爵家の出身だという事が知られていないのかもしれない。
「シェイリーンは、妃になって間もない。皆、手加減してやってくれ。」
そう言って、ラルフがこちらに注目していた女性達に微笑めば…
「「「は、はい……。」」」
女性達は、ぽわーんと、蕩けた笑みを浮かべながら返事をした。
対する私も、モルト王国に行った時とは違う反応に、安堵する。
毎回他国を訪問する度、ラルフが傍にいてくれるけれど。
ラルフは次期国王として、国交の縁をつなげていく必要があるし。
私も、サロンを通じて、親交を深めることが求められていた。
だからこそ、私はラルフから離れて一人立ちしなければいけない…
いつまでも、ラルフに頼りっきりじゃダメ。
意を決して、自分から一歩を踏み出そうとした時だった―――

