いつもなら、激しいまでの嫉妬と羨望が入り混じった視線が浴びせられるのに…
今日は、同じ嫉妬と羨望でも、全く違う。
なんだか、刺々しくないというか…
視線に痛みを感じないというか…
とにかく、ラルフの隣にいる事に後ろめたさを感じないのは初めての事だった。
もしかしたら、ネイル王国には、モルト王国ほど噂が出回っていないのかもしれないわ…
「ネイル王国は、大丈夫そうだな。」
隣のラルフが、こちらを向き、微笑む。
ラルフも、いつもと違う周囲の様子に気付いている様子。
「そうね。」
思わず、ほっと安堵し、微笑んだ。
ザワザワ――――
私とラルフのやりとりに、何故か周囲がざわめき始める。
ある者は、驚き。
ある者は、顔を赤らめ。
ある者は、訝しそうな表情をしている。
どの人の顔を見ても、何か言いたそうな表情だった。
そして、我慢が出来なくなった女性が一人、男性を盾にしてこちらへやって来た。

